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電波の業務運用技術者向け
電波伝搬Q&A

放送区域等を求める電波申請では、電波法告示第640号に準拠して計算することが求められます。
電波法告示第640号は、無線局免許手続規則第7条の規定により放送区域等を求める計算方式として定められています。

電波法告示第640号は、『大地の電気特性の影響、都市減衰、遠距離伝搬、球面計算、等』(以下『大地の電気特性・等』と呼称)を考慮した高度な電波伝搬計算方式で、多数実測検証では多くの場合実測に良く合います。

お使いの電波伝搬計算方式には『大地の電気特性・等』が考慮されているかを、ご確認ください。『奥村・秦』や『ロングレイ・ライス』の計算方式では考慮されていますが、一般の計算方式では省略されて簡略化されています。

一般の『簡略化された計算方式』が使える電波利用分野は、『大地の電気特性・等』が無視できる場合に限られます。周波数がギガ・ヘルツ帯で、送受共に鉄塔上のアンテナを使うような『特殊分野』または『近距離伝搬』に留まります。

ところが圧倒的多数の人々が利用している電波利用分野は、『周波数がメガ・ヘルツ帯』『受信アンテナ高が低くて電波ビームの下部が大地に近い』『都市部』等です。また、妨害波検討では、多くが『遠距離伝搬』です。こういった分野では、『大地の電気特性・等』を考慮に入れない計算方式では数10デシベルを超える大きな計算誤差が出る場合が多く、電波を業務運用する分野ではほとんど使えません。

この『大地の電気特性・等』を厳格に考慮した【電波原理】は、マクスウエルの電磁方程式に基づき地球地盤の『誘電率』『透磁率』『導電率』『球面計算』等が含まれる為に極めて難解です。

電波法告示第640号は、この極めて難解な【電波原理】に忠実な計算方式を、手計算でも可能なように、グラフ等を駆使して工夫を加えてあります。

『エリアかくべえ【郵政方式】』は、電波法告示第640号に準拠したパソコン自動計算が可能です。電波申請に必要な放送区域等の計算を短時間で処理できます。

『エリアかくべえ【最新方式】』は、『放送波中継回線』『AM放送』『業務用無線』等、日本全国のユーザー様からご提供いただいた様々な地形での『信頼性が高い実測値』を4,000回線以上選んで検証しました。その検証を元に補正式を加えて実測に近い計算が可能になっています。しかし、放送区域等を求める電波申請では、参考計算に留めてください。

『奥村・秦』及び『ロングレイ・ライス』の計算方式は『大地の電気特性・等』を考慮した優れた計算方式ですが、両者共に電波法告示第640号には準拠しておりません。また、後者の説明文では『アマチュア無線向け』と記述され、プロ分野の、放送区域等を求める電波申請では、参考計算に留めるべきと考えられます。

この『電波伝搬Q&A』は、『大地の電気特性・等』を考慮した【電波原理】を説明していますので、『シミュレーション結果の説得力ある説明』に使う事が出来、また『学問分野』にも参考になるものと思います。

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